英語の句動詞は、使い方も難しいですが、「目的語をどこに置くか」に悩むことも多いのではないでしょうか。
「turn off the light」と「turn the light off」、どちらも「電気を消す」という意味ですが、なぜ2つの言い方があるのでしょう。
また、「look after children」は「look children after」とは言えないのはなぜでしょうか。
今回は、句動詞の文型と目的語の正しい位置について、誰にでもわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、句動詞の目的語の位置に関する疑問が全て解消されるはずです。
それでは、具体的な説明に入っていきましょう。
句動詞の基本的な文型とは
句動詞には、大きく分けて3つの基本的な文型があります。
1. 自動詞型
・ 目的語を必要としない句動詞
・ 例:get up(起きる)、come back(戻ってくる)
2. 他動詞型(分離可能)
・ 目的語を動詞と前置詞の間に入れることができる
例:turn off the light / turn the light off(電気を消す)
3. 他動詞型(分離不可能)
・ 目的語を必ず前置詞の後ろに置く
例:look after the children(子供の世話をする)
分離可能な句動詞の使い方
分離可能な句動詞では、目的語の位置を2通りの方法で表現できます。
【基本パターン】
・ pick up the book
・ pick the book up
どちらも「本を拾う」という同じ意味になります。
【代名詞を使う場合の注意点】
目的語が代名詞の場合は、必ず動詞と前置詞の間に入れます。
○ pick it up(正しい)
× pick up it(誤り)
よく使う分離可能な句動詞の例
・ turn off(消す)
・ put on(着る)
・ take off(脱ぐ)
・ throw away(捨てる)
・ clean up(片付ける)
・ write down(書き留める)
分離不可能な句動詞の特徴
分離不可能な句動詞では、目的語は必ず前置詞の後ろに置きます。
【基本的な使い方】
・ look after the children(子供の世話をする)
・ run into an old friend(旧友にばったり会う)
・ deal with the problem(問題に対処する)
【代名詞を使う場合】
代名詞も同様に前置詞の後ろに置きます。
・ look after them
・ run into her
・ deal with it
目的語の長さによる位置の選び方
分離可能な句動詞で、目的語が長い場合は、前置詞の後ろに置くことが一般的です。
【短い目的語の場合】
・ turn off the TV
・ turn the TV off
(どちらも自然)
【長い目的語の場合】
○ turn off the brand-new television I bought yesterday
× turn the brand-new television I bought yesterday off
場面別の使用例
【日常生活での使用例】
1. 朝の準備
・ put on your clothes(服を着る)
・ take off your pajamas(パジャマを脱ぐ)
・ pick up your bag(カバンを持つ)
2. 掃除・片付け
・ clean up your room(部屋を片付ける)
・ throw away the garbage(ゴミを捨てる)
・ put away your toys(おもちゃをしまう)
【ビジネスでの使用例】
1. 書類作成
・ fill out the form(用紙に記入する)
・ write down the details(詳細を書き留める)
・ hand in the report(報告書を提出する)
2. 会議・打ち合わせ
・ set up the meeting(会議を設定する)
・ bring up the issue(問題を提起する)
・ point out the mistake(間違いを指摘する)
目的語の位置に関するよくある間違い
代名詞の位置
× turn off it
○ turn it off
代名詞(it, them, him, her など)を使う場合は、必ず動詞と前置詞の間に置く必要があります。これは必ず守るべき重要なルールです。
・ Please turn it off.(電気を消してください)
・ I’ll pick them up at 3:00.(3時に彼らを迎えに行きます)
・ Can you write it down?(それを書き留めてもらえますか)
2. 長い目的語の位置
× turn the very expensive computer I bought last week off
○ turn off the very expensive computer I bought last week
目的語が長い場合(特に修飾語句が多い場合)は、前置詞の後ろに置くのが自然です。これは英語の「右枝分かれ」という特徴によるもので、長い表現は文末に置く方が読みやすく、聞きやすくなります。
・ Please fill out all the necessary documents for your visa application.
(ビザ申請に必要な書類全てに記入してください)
・ She threw away the broken toy that her son hadn’t played with for years.
(彼女は息子が何年も遊んでいなかった壊れたおもちゃを捨てました)
分離不可能な句動詞での誤り
× look the children after
○ look after the children
分離不可能な句動詞は、その名の通り、動詞と前置詞を分離することができません。これらの句動詞では、必ず目的語を前置詞の後ろに置きます。
主な分離不可能な句動詞の例
・ look after(世話をする)
・ run into(偶然出会う)
・ deal with(対処する)
・ come across(偶然見つける)
・ go through(経験する)
・Who will look after your pets while you’re away?
(あなたが留守の間、ペットの世話は誰がするの?)
・We need to deal with this problem immediately.
(この問題にすぐに対処する必要があります)
・I came across an interesting article yesterday.
(昨日面白い記事を見つけました)
1. 代名詞は必ず分離して間に入れる
2. 長い目的語は後ろに置く
3. 分離不可能な句動詞は絶対に分けない
これらのルールを意識して使うことで、自然な英語表現ができるようになります。最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、実際に使ってみることで徐々に身についていくでしょう。
7. 練習のポイント
1. 分離可能か不可能かを確認
・ 辞書で確認
・ 例文を参考にする
・ ネイティブの使用例を観察
2. 代名詞を使った練習
・ 名詞を代名詞に置き換える練習
・ 正しい位置を意識する
3. 長さによる使い分け
・ 短い目的語と長い目的語で練習
・ 自然な位置を考える
まとめ 句動詞の目的語の位置
句動詞の目的語の位置は、最初は複雑に感じるかもしれません。
しかし、基本的なルールを理解し、実際の会話の中で使っていくことで、次第に自然に使えるようになっていきます。
まずは基本的なパターンから練習を始めて、徐々に応用的な使い方にチャレンジしていきましょう。