句動詞overの使い方を完全マスター【保存版】

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「turn over」「look over」「get over」など、「over」を使う句動詞は日常生活やビジネスでよく使われます。

でも、「over」には「上を越える」以外にも、「確認する」「克服する」など、様々な意味があり、使い方に迷うことも多いのではないでしょうか。

今回は、よく使う「over」を含む句動詞を、意味のグループ別に分かりやすく解説していきます。

「確認・点検」を表すover句動詞

書類や資料をチェックする際によく使われる表現です。ビジネスシーンでも頻出の句動詞です。

look over(確認する、点検する)

文書や資料を注意深く確認する際に使用する基本的な句動詞です。詳細な点検や見直しの作業を表現します。

・ Could you look over this report?(このレポートを確認していただけますか?)
・ I’ll look over your homework.(あなたの宿題を確認します)
・ She looked over the contract carefully.(彼女は契約書を注意深く確認しました)
・ Let me look over the details one more time.(もう一度詳細を確認させてください)

go over(詳しく調べる、確認する)

物事を綿密に調査・確認する際に使用する慎重な句動詞です。特に重要な内容の確認や復習に適しています。

・ Let’s go over the plan again.(もう一度計画を確認しましょう)
・ I went over my notes before the exam.(試験前にノートを見直しました)
・ Can we go over the budget together?(一緒に予算を確認できますか?)
・ She’s going over the final draft now.(彼女は今最終原稿を確認しています)

check over(点検する、チェックする)

物や内容を入念に確認する際に使用する実践的な句動詞です。ミスや問題点を見つけるための確認作業を表現します。

・ The mechanic checked over my car.(整備士が私の車を点検しました)
・ Please check over your answers.(答えをチェックしてください)
・ I need to check over these figures.(これらの数字を確認する必要があります)
・ She checked over her appearance in the mirror.(彼女は鏡で身なりを確認しました)

「克服・回復」を表すover句動詞

困難や病気などを乗り越える場面で使用する表現です。心理的な状況にも使えます。

get over(克服する、回復する)

困難や病気、感情的な問題を乗り越える際に使用する回復的な句動詞です。前向きな変化や成長を表現します。

・ I can’t get over my fear of heights.(高所恐怖症を克服できません)
・ She finally got over the flu.(彼女はついにインフルエンザから回復しました)
・ It took me months to get over the breakup.(失恋から立ち直るのに何ヶ月もかかりました)
・ How do you get over jet lag?(時差ボケをどうやって克服しますか?)

come over((感情が)込み上げる、襲う)

突然の感情や状態の変化が訪れる際に使用する急激な句動詞です。予期せぬ心理的・身体的な変化を表現します。

・ A strange feeling came over me.(奇妙な感覚が襲ってきました)
・ Sleepiness suddenly came over him.(突然眠気が彼を襲いました)
・ Fear came over her as she heard the noise.(物音を聞いて恐怖が彼女を襲いました)
・ What came over you to say such a thing?(どうしてそんなことを言ったのですか?)

「移動・変化」を表すover句動詞

位置や状態の変化を表現する時に使用します。物理的な移動から状況の変化まで幅広く使えます。

turn over(裏返す、反転する)

物を反対側に向けたり、状態を逆転させたりする際に使用する動作的な句動詞です。物理的な反転や立場の変更を表現します。

・ Turn over the paper and continue writing.(紙を裏返して書き続けてください)
・ The car turned over in the accident.(事故で車が横転しました)
・ Please turn over your exam papers.(試験用紙を裏返してください)
・ She turned over in her sleep.(彼女は寝返りを打ちました)

hand over(渡す、引き渡す)

物や権限を他者に譲渡する際に使用する移譲的な句動詞です。責任や所有権の移転を表現します。

・ Hand over your keys, please.(鍵を渡してください)
・ He handed over control to his deputy.(彼は副官に指揮権を譲りました)
・ They refused to hand over the documents.(彼らは書類の引き渡しを拒否しました)
・ Can you hand over that book?(その本を渡してもらえますか?)

take over(引き継ぐ、乗っ取る)

権限や責任を受け継ぐ際に使用する継承的な句動詞です。組織や業務の管理権の移行を表現します。

・ Who will take over the project?(誰がプロジェクトを引き継ぎますか?)
・ The new manager takes over next week.(新しいマネージャーが来週着任します)
・ Our company took over a smaller firm.(我が社は小さな会社を買収しました)
・ Let me take over from here.(ここからは私が引き継ぎます)

「超過・越える」を表すover句動詞

物理的または抽象的に「超える」という意味を持つ表現です。

run over(はねる、轢く / 時間を超過する)

物理的な衝突や時間的な超過を表す多義的な句動詞です。予定や制限を超えることも表現します。

・ The meeting ran over by 30 minutes.(会議は30分超過しました)
・ Be careful not to run over any animals.(動物をはねないように気をつけて)
・ His speech ran over the time limit.(彼のスピーチは制限時間を超えました)
・ The pot is running over.(鍋が吹きこぼれています)

spill over(あふれ出る、波及する)

影響や効果が本来の範囲を超えて広がることを表現する拡散的な句動詞です。物理的・抽象的な広がりを表現します。

・ The conflict spilled over into neighboring countries.(紛争が近隣諸国に波及しました)
・ Her enthusiasm spilled over to the whole team.(彼女の熱意がチーム全体に広がりました)
・ The water spilled over the top of the glass.(水がグラスの上からあふれ出ました)
・ The effects spilled over into other industries.(影響が他の産業にも及びました)

よくある間違いと注意点

前置詞の使い方

over句動詞における前置詞の正しい使用法と、よくある誤用のパターンを示しています。

・ look over the document(○)(書類を確認する)
・ look over to the document(×)

over句動詞では、overの後に直接目的語が来ます。他の前置詞(to, at, forなど)を追加する必要はありません。

【よくある間違いの例】
× Can you look over to this report?
○ Can you look over this report?
(このレポートを確認していただけますか?)× She went over at the budget.
○ She went over the budget.
(彼女は予算を確認しました)× Please check over for any mistakes.
○ Please check over any mistakes.
(間違いがないか確認してください)

【特に注意が必要な句動詞】
look over
○ Look over these papers.
× Look over to these papers.
× Look over at these papers.

go over
○ Go over the plan.
× Go over to the plan.
× Go over through the plan.

check over
○ Check over your work.
× Check over on your work.
× Check over at your work.

この間違いが起きる理由
・ 一般的な動詞の後には前置詞が必要な場合が多いため
・ 例 look at(~を見る)、go to(~へ行く)など
・ しかし、句動詞の場合は、overが既に前置詞の役割を果たしているため、追加の前置詞は不要

意味の混同を避ける

似たような形を持つover句動詞の意味の違いと、適切な使い分けを解説します。
・ go over(確認する)
・ get over(克服する)
を混同しないように注意。

似たような句動詞でも、意味が大きく異なる場合があります。
特に注意が必要な組み合わせ。

go over と get over

Let’s go over the plan.(計画を確認しましょう)
I need to get over my cold.(風邪を治さないと)
Let’s get over the plan.(誤用)
・ get overは「克服する、回復する」という意味で、通常は病気や感情的な問題に使用します。
・ 計画は「克服」の対象とはならないため、不自然な表現になります。
I need to go over my cold.(誤用)
・ go overは「確認する、見直す」という意味で、通常は書類や計画などを対象とします。
・ 風邪は「確認」の対象とはならないため、不自然な表現になります。

look over と take over

Please look over this document.(この書類を確認してください)
He will take over the company.(彼が会社を引き継ぎます)
Please take over this document.(文脈によっては不自然)
・ take overは「引き継ぐ、管理を担当する」という意味です。
・ 通常、文書は「引き継ぐ」対象ではなく、「確認する(look over)」対象です。
・ ただし、文書の管理責任を引き継ぐという文脈であれば使用可能です。
He will look over the company.(文脈によっては不自然)・ look overは「確認する、点検する」という意味です。
・ 会社は通常「確認」の対象ではなく、「管理・運営(take over)」の対象です。
・ ただし、会社の状況を調査するという文脈であれば使用可能です。

check over と run over

The mechanic checked over my car.(整備士が私の車を点検しました)
The meeting ran over by 30 minutes.(会議が30分超過しました)
The mechanic ran over my car.(「整備士が車を轢いた」という意味になってしまう)

目的語の位置

over句動詞における目的語の正しい位置と、代名詞を使用する際の特別なルールを説明します。

・ look it over(○)
・ look over it(×)
代名詞の場合は間に入れる

over句動詞の目的語の位置には、以下のようなルールがあります。

代名詞(it, them, him, her など)の場合

・ 代名詞(it, them, him, her など)は、必ず動詞とoverの間に置きます。
・ これは英語の代名詞の基本的な文法規則で、代名詞は可能な限り動詞の近くに置く必要があります。

○ Look it over carefully.
× Look over it carefully.

○ Check them over before signing.
× Check over them before signing.

○ The manager handed it over.
× The manager handed over it.

一般の名詞の場合(両方可能)

・ 一般の名詞は、overの前後どちらに置いても文法的に正しくなります。
・ これは一般名詞が代名詞よりも文中での位置の制約が緩やかなためです。

○ Look over the document.
○ Look the document over.

○ Check over your answers.
○ Check your answers over.

長い目的語の場合(前置詞の後が推奨)

○ Look over the lengthy financial report from last quarter.
× Look the lengthy financial report from last quarter over.

○ Hand over all the documents you received yesterday.
× Hand all the documents you received yesterday over.

このように、目的語が代名詞か一般の名詞か、また長さによって、適切な位置が変わってきます。特に代名詞の場合は、必ず動詞と前置詞の間に置く必要があることを覚えておきましょう。

まとめ over句動詞の使いこなし

over句動詞の特徴をまとめると、

1. 基本的な意味分類
・ 確認・点検
・ 克服・回復
・ 移動・変化
・ 超過・越える

2. 使用時の注意点
・ 文脈に応じた適切な表現の選択
・ 目的語の正しい位置
・ 関連する前置詞の使い方

これらの表現は、日常会話からビジネスまで幅広く使用されます。

状況に応じて適切な表現を選べるよう、少しずつ練習していきましょう。

基本的な使い方をマスターすれば、自然な英語表現の幅が広がっていくはずです。

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