「come in(入ってくる)」「cut off(切断する)」など、comeとcutを使用する句動詞は日常的によく使われる重要な表現です。
これらの基本動詞から派生する句動詞は、様々な場面で活用できる便利な表現ばかりです。
今回は、comeとcutを使用する句動詞について、意味や使い方を詳しく解説していきます。
comeを使う基本的な句動詞
人や物の移動や出現を表すcomeの句動詞は、日常会話で頻繁に使用されます。状況に応じた適切な使い方を見ていきましょう。
come in(入ってくる、参加する)
建物や部屋への入室、また組織やグループへの参加を表現する基本的な句動詞です。
・ Please come in.(どうぞお入りください)
・ When did you come in to work?(何時に出勤しましたか?)
・ New ideas are coming in.(新しいアイデアが出てきています)
・ The tide is coming in.(潮が満ちてきています)
come out(出てくる、発売される)
外への移動や、何かが公開・発表されることを表現する句動詞です。
・ The sun came out.(太陽が出てきました)
・ When does the new movie come out?(新しい映画はいつ公開されますか?)
・ The truth finally came out.(真実がついに明らかになりました)
・ Her new book comes out next month.(彼女の新刊は来月発売されます)
comeを使う応用的な句動詞
より複雑な状況や抽象的な概念を表現するcome句動詞を見ていきましょう。
come up with(考え出す、提案する)
アイデアや解決策を生み出すことを表現する重要な句動詞です。
・ She came up with a great idea.(彼女は素晴らしいアイデアを思いつきました)
・ Can you come up with a better solution?(もっと良い解決策を考えられますか?)
・ We need to come up with a plan.(計画を立てる必要があります)
・ Who came up with this design?(誰がこのデザインを考案したのですか?)
come across(偶然出会う、~という印象を与える)
予期せぬ出会いや、他者への印象を表現する多目的な句動詞です。
・ I came across an interesting article.(興味深い記事を見つけました)
・ He comes across as very confident.(彼はとても自信があるように見えます)
・ We came across some old photos.(古い写真をたまたま見つけました)
・ How do I come across in interviews?(面接では私はどんな印象を与えていますか?)
come back(戻ってくる、復活する)
物理的な帰還や、状態の回復を表現する基本的な句動詞です。
・ What time will you come back?(何時に戻りますか?)
・ The memories came back to me.(記憶が蘇ってきました)
・ This fashion style is coming back.(このファッションスタイルが復活しています)
・ Her strength is slowly coming back.(彼女の体力が徐々に戻ってきています)
cutを使う基本的な句動詞
物理的な切断から関係の断絶まで、様々な「切る」行為を表現するcut句動詞を紹介します。
cut off(切断する、遮断する)
物理的な切断や、通信・関係の遮断を表現する句動詞です。
・ The storm cut off the power.(嵐で電気が切れました)
・ He was cut off from his family.(彼は家族との関係を断たれました)
・ The phone got cut off.(電話が切れてしまいました)
・ Don’t cut me off when I’m speaking.(私が話している時に遮らないでください)
cut back(削減する、縮小する)
支出や消費の削減を表現する句動詞です。
・ We need to cut back on expenses.(支出を削減する必要があります)
・ She’s cutting back on sugar.(彼女は砂糖の摂取を控えています)
・ The company is cutting back staff.(会社は人員を削減しています)
・ Let’s cut back on unnecessary meetings.(不要な会議を減らしましょう)
cut up(細かく切る、傷つける)
物を小さく切ることや、感情的な傷つきを表現する句動詞です。
・ Can you cut up the vegetables?(野菜を切ってもらえますか?)
・ She was really cut up about the news.(彼女はそのニュースで本当に心を痛めていました)
・ Cut up the paper into small pieces.(紙を小さく切り刻んでください)
・ The criticism really cut him up.(その批判は彼を深く傷つけました)
それぞれの句動詞の使い分けのポイント
comeを使う句動詞の特徴
方向性
come in:内側への移動
例文
・ Please come in to my office.(私のオフィスにお入りください)
・ The rain is coming in through the window.(雨が窓から入ってきています)
come back:元の場所への移動
例文
・ She’ll come back next week.(彼女は来週戻ってきます)
・ Summer is coming back again.(夏が再び戻ってきます)
come out:外側への移動
「内側から外側へ」という基本的な意味から、「現れる」「出版・発売される」「公開される」など、様々な「出現」を表す表現として使われます。
物理的な移動
・ Please come out of the room.(部屋から出てきてください)
・ The sun came out from behind the clouds.(太陽が雲の後ろから出てきました)
自然現象
・ The flowers are coming out.(花が咲いてきています)
[蕾の中から花が外に出てくるイメージ]
・ New leaves are coming out.(新しい葉が出てきています)
[枝の中から葉が外に出てくるイメージ]
発売・公開
・ When did this book come out?(この本はいつ発売されましたか?)
[出版社から世の中に出てくるイメージ]
・ Their new album comes out next week.(彼らの新しいアルバムは来週発売されます)
[制作段階から公開される状態へ]
情報の公開
・ The truth finally came out.(真実がついに明らかになりました)
[隠れていた事実が表に出てくるイメージ]
・ The test results came out yesterday.(テストの結果が昨日発表されました)
[未公開の情報が公開されるイメージ]
偶然性
come across:予期せぬ出会い
例文
・ I came across an old friend yesterday.(昨日旧友にばったり会いました)
・ We came across these documents by chance.(偶然これらの書類を見つけました)
come up:突然の発生
例文
・ Something came up at work.(仕事で急な用事が出来ました)
・ A new problem came up.(新しい問題が発生しました)
cutを使う句動詞の特徴
切断の種類
cut off:完全な切断・遮断
例文
・ The power was cut off during the storm.(嵐の間、電気が遮断されました)
・ He cut off all contact with his old friends.(彼は古い友人との連絡を全て断ちました)
cut back:部分的な削減
例文
・ We’re cutting back on our spending.(支出を削減しています)
・ The company is cutting back production.(会社は生産を縮小しています)
cut up:細かい切断
例文
・ Cut up the chicken into small pieces.(鶏肉を小さく切り分けてください)
・ She cut up the letter into tiny pieces.(彼女は手紙を細かく切り刻みました)
対象による違い
物理的な切断
例:Cut off the damaged part.(損傷した部分を切り取ってください)
関係性の切断
例:They cut off diplomatic relations.(彼らは外交関係を断絶しました)
感情的な影響
例:She was cut up about the breakup.(彼女は破局で心を痛めていました)
注意すべき使い方とよくある間違い
come句動詞とcut句動詞は頻繁に使用される表現だからこそ、特に注意が必要です。ここでは、よくある間違いとその訂正方法を詳しく解説します。
comeを使う句動詞の注意点
【前置詞の誤用】
× come to in(正しくは:come in to)
○ When did you come in to work?
(「to」は職場を示す前置詞で、句動詞「come in」の一部ではありません)
【不要な前置詞の追加】
× come up to with(正しくは:come up with)
○ Come up with a better idea.
(「come up with」は1つのまとまった句動詞なので、間に他の前置詞を入れません)
【よくある間違いの例】
・ come with up(×) → come up with(○)
・ come for back(×) → come back(○)
・ come across to(×) → come across(○)
cutを使う句動詞の注意点
【前置詞の選択ミス】
× cut back of(正しくは:cut back on)
○ We need to cut back on spending.
(「cut back」の後には必ず「on」を使用します)
【代名詞の位置】
× cut off from it(正しくは:cut it off)
○ If there’s a problem, cut it off.
(代名詞は句動詞の中間に置く必要があります)
【よくある間違いの例】
・ cut down of(×) → cut down on(○)
・ cut up to(×) → cut up(○)
・ cut it back on(×) → cut back on it(○)
これらの注意点を意識することで、より正確な句動詞の使用が可能になります。特に前置詞の使用と代名詞の位置には気をつけましょう。
まとめ come/cut句動詞の効果的な使用
1. 基本的なポイント
・ 文脈に応じた適切な句動詞の選択
・ 目的語の正しい位置
・ 前置詞の適切な使用
2. 使用時の注意
・ フォーマル度の考慮
・ 類似表現との使い分け
・ 文化的な違いの理解
これらのcome/cut句動詞は、日常会話から業務まで幅広く使用される重要な表現です。
基本的な意味を理解した上で、実際の会話の中で積極的に使用することで、自然な英語表現が身についていくでしょう。
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