日常生活やビジネスシーンで頻繁に使用されるmake、set、use、putを使用した句動詞は、英語コミュニケーションの基本となる表現です。
これらの基本動詞から作られる句動詞は、様々な場面で活用できる便利な表現ばかりです。
今回は、これら4つの基本動詞を使用する句動詞について、意味や使い方を詳しく解説していきます。
makeを使う句動詞
日常的によく使用される「作る」「する」を意味するmakeの句動詞は、特に重要です。状況に応じた適切な使い方を見ていきましょう。
make up(作り上げる、構成する、化粧する)
創造的な活動や構成、また化粧を表現する多目的な句動詞です。
創作・発明
・ She made up a story.(彼女は物語を作り上げました)
・ Don’t make up excuses.(言い訳を作らないでください)
化粧
・ She’s making up her face.(彼女は化粧をしています)
・ I need to make myself up.(化粧をする必要があります)
構成
・ Water makes up 70% of the Earth.(水は地球の70%を占めています)
・ The team is made up of five people.(チームは5人で構成されています)
make out(理解する、見分ける)
物事を理解したり、識別したりする際に使用する句動詞です。
・ I can’t make out what he’s saying.(彼が何を言っているのか理解できません)
・ It’s hard to make out the words.(文字が見分けにくいです)
・ Can you make out that sign?(あの看板が読めますか?)
・ I couldn’t make out her expression.(彼女の表情が読み取れませんでした)
setを使う句動詞
「設定する」「準備する」を基本的な意味とするsetの句動詞は、準備や開始に関する表現で重要です。
set up(設置する、準備する、開設する)
物の設置や、システム・組織の立ち上げを表現する実用的な句動詞です。
物理的な設置
・ Let’s set up the new computer.(新しいコンピュータを設置しましょう)
・ They’re setting up chairs for the meeting.(会議用に椅子を並べています)
組織・システムの設立
・ He wants to set up his own business.(彼は自分の事業を立ち上げたいと考えています)
・ We need to set up a new system.(新しいシステムを構築する必要があります)
予定の設定
・ Can we set up a meeting?(会議を設定できますか?)
・ I’ll set up an appointment for you.(あなたの予約を入れておきます)
set out(出発する、~するつもり)
行動の開始や目的の設定を表現する句動詞です。
出発・開始
・ We set out early in the morning.(私たちは朝早く出発しました)
・ When did you set out on your journey?(いつ旅に出発したのですか?)
目的・意図
・ The report sets out our main objectives.(報告書は私たちの主な目的を示しています)
・ She set out to become a doctor.(彼女は医師になることを目指しました)
useを使う句動詞
「使用する」という基本的な意味から派生した表現を見ていきましょう。
use up(使い切る、消費し尽くす)
資源や材料を完全に消費することを表現する句動詞です。
消費・使用
・ We’ve used up all the milk.(牛乳を全部使い切ってしまいました)
・ Don’t use up all the hot water.(お湯を全部使わないでください)
・ She used up her savings.(彼女は貯金を使い果たしました)
・ The battery is used up.(バッテリーが切れました)
use out(使い果たす)
※この句動詞は比較的使用頻度が低く、通常はuse upが好まれます。
消費・枯渇
・ The supplies are used out.(供給品が底をつきました)
・ All the resources were used out.(すべての資源が使い果たされました)
putを使う句動詞
「置く」という基本的な意味から、様々な状況で使用される表現を学びましょう。
put away(しまう、片付ける)
物を適切な場所に収納することを表現する句動詞です。
収納・片付け
・ Please put away your toys.(おもちゃを片付けてください)
・ I need to put away the groceries.(食料品をしまう必要があります)
・ She put away her winter clothes.(彼女は冬服をしまいました)
・ Let’s put away these books.(これらの本を片付けましょう)
put off(延期する、先延ばしにする)
予定や行動を後回しにすることを表現する句動詞です。
延期・遅延
・ Don’t put off your homework.(宿題を後回しにしないで)
・ The meeting was put off until next week.(会議は来週まで延期されました)
・ Why do you keep putting off the decision?(なぜ決定を先延ばしにし続けるのですか?)
・ They put off their wedding.(彼らは結婚式を延期しました)
それぞれの句動詞の使い分けのポイント
状況や意図に応じて適切な句動詞を選択することが重要です。似たような意味を持つ句動詞の違いを理解しましょう。
「準備・設定」を表す場合
make up
・ 創造的な準備、新しいものを作り出す場合
・ 計画や戦略を立てる場合
・ 既存のものを組み合わせて新しいものを作る場合
例文
・ Let’s make up a plan.(計画を立てましょう)
・ She made up a new recipe.(彼女は新しいレシピを考案しました)
・ They made up their strategy.(彼らは戦略を立てました)
set up
・ 物理的な準備や設置
・ システムや組織の構築
・ 具体的な予定の設定
例文
・ Let’s set up the equipment.(機器を設置しましょう)
・ We need to set up a meeting.(会議を設定する必要があります)
・ They set up a new office.(彼らは新しいオフィスを開設しました)
「消費・使用」を表す場合
use up
・ 完全な消費、なくなるまで使用
・ 資源やエネルギーの消耗
・ 時間や機会の消費
例文
・ We used up all the resources.(資源を全て使い切りました)
・ Don’t use up your energy.(エネルギーを使い果たさないで)
・ She used up her chances.(彼女はチャンスを使い果たしました)
put away
・ 整理された形での保管
・ 将来の使用のための収納
・ 片付けや整理整頓
例文
・ We put away the leftover materials.(残った材料をしまいました)
・ Put away your clothes neatly.(服をきちんとしまいなさい)
・ She puts away money for savings.(彼女は貯金のためにお金を取っておきます)
よくある間違いと注意点
これらの基本的な句動詞でも、いくつか注意すべき重要なポイントがあります。
目的語の位置
代名詞を使用する場合
○ 正しい使い方
・ Put it away.(それをしまいなさい)
・ Use it up.(それを使い切りなさい)
・ Make it up.(それを作り上げなさい)
・ Set it up.(それを設置しなさい)
× 誤った使い方
・ Put away it.
・ Use up it.
・ Make up it.
・ Set up it.
代名詞(it, them, him, her など)は、必ず動詞と前置詞の間に置く必要があります。
前置詞の使い方
正しい前置詞の選択
○ 正しい使い方
・ Make up for lost time(遅れを取り戻す)
・ Set up for the party(パーティーの準備をする)
・ Put up with the noise(騒音に耐える)
・ Use up all the ingredients(材料を全て使い切る)
× 誤った使い方
・ Make up of lost time
・ Set up to the party
・ Put up against the noise
・ Use up with the ingredients
【説明】
・ make up for:補償や埋め合わせを表現
・ set up for:準備や用意を表現
・ put up with:我慢や容認を表現
・ use up:完全な消費を表現(追加の前置詞不要)
意味の混同を避ける
似た表現の違い
make up と make up for
・ make up:作り上げる、考案する
・ make up for:埋め合わせる、償う
set up と put up
・ set up:設置する、準備する
・ put up:建てる、宿泊させる
例文
・ She made up a story.(彼女は物語を作り上げました)
・ She made up for her absence.(彼女は欠席を埋め合わせました)
・ We set up the tent.(テントを設営しました)
・ We put up our guests.(客を泊めました)
これらの違いを意識することで、より正確な句動詞の使用が可能になります。
まとめ 基本動詞の句動詞の効果的な使用
1. 使用時のポイント
・ 文脈に合った適切な句動詞の選択
・ 正しい語順の維持
・ 適切な前置詞の使用
2. 練習のコツ
・ 基本的な用法から始める
・ 実際の会話の中で使用する
・ 類似表現との違いを意識する
これらの基本動詞から作られる句動詞は、英語コミュニケーションの基礎となる重要な表現です。
場面や状況に応じて適切に使用することで、より自然な英語表現が可能になります。
日々の会話の中で意識的に使用し、練習を重ねることで、徐々に使いこなせるようになっていくでしょう。