関係代名詞の目的格「who」が使えないのはなぜ?初心者にもわかりやすく解説

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こんにちは。

英語学習において、関係代名詞は避けて通れない重要な文法項目です。

しかし、その中でも特に悩ましいのが目的格の「who」の使い方ではないでしょうか。

「どうして目的格の関係代名詞として『who』が使えないの?」

こんな疑問を持ったことはありませんか。

今回は、この疑問にお答えしながら、関係代名詞の使い方について解説していきます。

関係代名詞とは何か?基本を押さえよう

まずは、関係代名詞の基本から確認していきましょう。

関係代名詞とは、二つの文をつなぐ働きをする言葉です。

例えば、「私は彼女を知っています。彼女は医者です。」という二つの文があるとします。

これを一つの文にまとめるとき、関係代名詞を使って「私は医者である彼女を知っています。」と表現できます。

関係代名詞には主に「who」「which」「that」があります。

人を指す場合は「who」、物を指す場合は「which」、そして人と物の両方に使える「that」があります。

しかし、ここで注意が必要なのです。

なぜ目的格の関係代名詞として「who」が使えないのか?

多くの人が疑問に思う「なぜ目的格の関係代名詞として『who』が使えないのか」について解説していきます。

結論から言うと、目的格の関係代名詞として「who」が使えないわけではありません。

実は、使えるのです。

ただし、一般的には「whom」を使うことが文法的により正しいとされています。

では、なぜそうなのでしょうか。

その理由は、英語の歴史的な変遷と現代の使用傾向にあります。

「who」と「whom」の違い:歴史的背景

「who」と「whom」の違いは、英語の歴史的な格変化に由来します。

昔の英語では、代名詞が文中での役割によって形を変えていました。

・ 主格(文の主語として使う場合):who
・ 目的格(動詞の目的語や前置詞の目的語として使う場合):whom

この区別は、ドイツ語などの他のヨーロッパ言語にも見られる特徴です。

しかし、時代とともに英語は簡略化され、多くの場面で「who」と「whom」の区別がなくなってきました。

それでも、特に formal な文章や、文法を重視する場面では、この区別が残っているのです。

現代英語における「who」と「whom」の使い分け

現代の英語使用では、「who」と「whom」の使い分けについて、次のような傾向があります。

1. 話し言葉では、ほとんどの場合「who」が使われます。

2. 書き言葉、特にフォーマルな文章では「whom」が好まれます。

3. 前置詞の後では「whom」を使うのが一般的です。

例えば
・ 話し言葉:「The person who I met yesterday」(昨日会った人)

・ 書き言葉:「The person whom I met yesterday」

・ 前置詞の後:「The woman to whom I spoke」(私が話しかけた女性)

このように、状況によって使い分けるのが現代の英語の特徴といえるでしょう。

「whom」を使うべき場面とは?

では、具体的にどんな場面で「whom」を使うべきなのでしょうか。

以下のような状況では、「whom」の使用が推奨されます。

1. フォーマルな文書や学術論文
2. ビジネスレターやメール
3. 法律文書
4. 文学作品(特に古典)

これらの場面では、文法的な正確さが求められるため、「whom」を使うことで、より洗練された印象を与えることができます。

例えば
・ 「The clients whom we met last week were impressed by our presentation.」
(先週会ったクライアントたちは、私たちのプレゼンテーションに感銘を受けました)

このような文では、「whom」を使うことで、より格調高い表現になります。

「who」を目的格で使っても問題ない場面

一方で、以下のような場面では「who」を目的格で使っても問題ありません。

1. 日常会話
2. カジュアルな文章(SNSの投稿、ブログなど)
3. インフォーマルなメールやメッセージ

例えば
・ 「She’s the girl who I met at the party.」
(彼女はパーティーで会った女の子です)

このような文では、「who」を使っても自然な印象を与えられます。

むしろ、カジュアルな場面で「whom」を使うと、堅苦しい印象を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。

「that」という選択肢:より簡単な代替案

「who」と「whom」の使い分けに悩んだときは、「that」を使うという選択肢もあります。

「that」は人にも物にも使える万能の関係代名詞で、文法的にも問題ありません。

例えば
・ 「The person that I met yesterday」(昨日会った人)

このように「that」を使えば、「who」と「whom」の選択に悩む必要がなくなります。

特に、話し言葉や informal な文章では、「that」の使用が増えている傾向にあります。

関係代名詞の省略:さらなる簡略化

実は、目的格の関係代名詞は省略することもできます。

これは、特に話し言葉でよく見られる現象です。

例えば
・ 「The person (whom/who/that) I met yesterday」
(昨日会った人)

このように、関係代名詞を省略しても文の意味は十分に通じます。

むしろ、この方が自然な英語表現になることも多いのです。

関係代名詞の使い方:さらなる詳細

関係代名詞の使い方について、さらに詳しく見ていきましょう。
ここでは、「who」「whom」「which」「that」の使い分けや、それぞれの特徴について解説します。

「who」の使い方

「who」は主に人を指す関係代名詞として使われます。
主格(主語)として使う場合はもちろん、口語では目的格でも使われます。


・ 「The woman who lives next door is a doctor.」
(隣に住んでいる女性は医者です)

・ 「He’s the guy who I met at the party.」
(彼は、パーティーで会った男性です)

「whom」の使い方

「whom」は「who」の目的格で、主に書き言葉やフォーマルな場面で使用されます。
特に、前置詞の後では「whom」を使うのが一般的です。


・ 「The professor to whom I sent my thesis gave me valuable feedback.」
(私が論文を送った教授は、貴重なフィードバックをくれました)

・ 「Whom did you invite to the wedding?」
(結婚式には誰を招待したの?)

「which」の使い方

「which」は主に物や動物を指す関係代名詞として使われます。
人以外のものを指す場合に使用します。


・ 「The book which I borrowed from the library is very interesting.」
(図書館から借りた本はとても面白いです)

・ 「The car which we rented broke down on the highway.」
(私たちがレンタルした車は、高速道路で故障しました)

「that」の使い方

「that」は人にも物にも使える万能の関係代名詞です。
制限的用法(その関係節が必要不可欠な情報を提供する場合)でよく使われます。

例:
・ 「The movie that we saw last night was amazing.」
(昨夜見た映画は素晴らしかったです)

・ 「She’s the only person that I trust completely.」
(彼女は私が完全に信頼できる唯一の人です)

関係代名詞の選び方:状況別ガイド

関係代名詞の選び方に悩むことがあるかもしれません。
ここでは、状況別に適切な関係代名詞の選び方をガイドします。

フォーマルな文書を書く場合

フォーマルな文書、例えばビジネスレターや学術論文を書く場合は、文法的な正確さが求められます。
このような場合は、以下のルールを意識しましょう。

・ 人を指す場合:主格は「who」、目的格は「whom」を使う
・ 物を指す場合:「which」を使う
・ 前置詞の後には「whom」または「which」を使う


・ 「The clients whom we met last week were impressed by our presentation.」
(先週会ったクライアントたちは、私たちのプレゼンテーションに感銘を受けました)

・ 「The project proposal, which we submitted last month, has been approved.」
(先月提出したプロジェクト提案が承認されました)

カジュアルな会話や文章の場合

日常会話やカジュアルな文章の場合は、より柔軟な使い方が許容されます。
このような場合は、以下のような使い方が一般的です。

・ 人を指す場合:主格も目的格も「who」を使う
・ 物を指す場合:「that」を使うか、「which」を使う
・ 人や物に関わらず「that」を使う
・ 関係代名詞を省略する


・ 「She’s the girl who I met at the coffee shop.」
(彼女は、コーヒーショップで会った女の子だよ)

・ 「The movie that we watched last night was really scary.」
(昨夜見た映画は本当に怖かったね)

・ 「The book I bought yesterday is really interesting.」
(昨日買った本は本当に面白いです)

文学的な表現や格調高い文章の場合

文学作品や格調高い文章を書く場合は、より洗練された表現が求められます。
このような場合は、以下のような使い方を心がけましょう。

・ 人を指す場合:状況に応じて「who」と「whom」を適切に使い分ける
・ 物を指す場合:「which」を使う
・ 非制限用法(追加情報を提供する場合)では「which」を使う
・ 前置詞の後には「whom」または「which」を使う


・ 「The author, whom critics praise for her lyrical prose, will be giving a reading next week.」 (抒情的な文体で批評家たちから称賛されている作家が、来週朗読会を行います)

・ 「The old castle, which has stood for centuries, still inspires awe in visitors.」 (何世紀もの間そびえ立っている古城は、今でも訪問者たちに畏敬の念を抱かせます)

関係代名詞の使い方:よくある間違いと注意点

関係代名詞の使用には、いくつかよくある間違いや注意すべき点があります。
これらを知っておくことで、より正確に関係代名詞を使えるようになるでしょう。

「who」と「whom」の混同

「who」は主格、「whom」は目的格という基本ルールを忘れがちです。
特に、前置詞の後では「whom」を使うべきところを「who」にしてしまう間違いが多いです。

間違い例
「The person who I gave the book to was very grateful.」

正しい例
「The person to whom I gave the book was very grateful.」 (私が本を渡した人は、とても感謝していました)

「which」と「that」の使い分け

「which」と「that」はどちらも物を指す関係代名詞として使えますが、使い方に微妙な違いがあります。
「that」は制限的用法(その情報が必要不可欠な場合)で、「which」は非制限的用法(追加情報を提供する場合)でよく使われます。


・ 制限的用法:「The book that I borrowed from the library is due tomorrow.」
(図書館から借りた本は、明日が返却期限です)

・ 非制限的用法:「The book, which I borrowed last week, is very interesting.」
(先週借りたその本は、とても面白いです)

関係代名詞の省略

目的格の関係代名詞は省略できますが、主格の場合は省略できません。
この点を間違えると、文が不自然になってしまいます。

間違い例
・ 「The man called me yesterday is my uncle.」(主格の関係代名詞を省略)

正しい例
・ 「The man who called me yesterday is my uncle.」 (昨日私に電話してきた男性は、私の叔父です)

「whose」の使い方

「whose」は所有を表す関係代名詞で、人にも物にも使えます。
しかし、物に使う場合は「of which」を使う方がより正式とされることがあります。


・ 人の場合:「The woman whose car was stolen reported it to the police.」
(車を盗まれた女性は、警察に届け出ました)

・ 物の場合:「The house whose roof was damaged in the storm has been repaired.」
(嵐で屋根が損傷した家は、修理されました)

・ より正式な表現:「The house, the roof of which was damaged in the storm, has been repaired.」

実践的な例文で理解を深めよう

関係代名詞の使い方をさらに理解するために、様々な状況での例文を見ていきましょう。
これらの例文を通じて、「who」「whom」「that」の使い分けや、関係代名詞の省略についてより深く学べるはずです。

フォーマルな文章

・ 「The professor whom we invited to the conference is a renowned expert in linguistics.」
(私たちが会議に招待した教授は、言語学の著名な専門家です)

・ 「The committee, to whom we submitted our proposal, will make a decision next week.」
(私たちが企画書を提出した委員会は、来週決定を下すでしょう)

・ 「The scientists whom we interviewed for our documentary have made groundbreaking discoveries.」
(私たちのドキュメンタリーでインタビューした科学者たちは、画期的な発見をしました)

・ 「The author, whom critics praise for her insightful writing, will be giving a lecture next month.」
(洞察力に富んだ文章で批評家たちから称賛されている著者が、来月講演を行います)

これらの例では、「whom」を使うことで文章に格調高さを加えています。
特に、「to whom」のような前置詞と組み合わせた使い方は、フォーマルな文章でよく見られます。

カジュアルな会話

・ 「Who did you see at the movies last night?」
(昨夜、映画館で誰を見かけたの?)

・ 「She’s the girl who I met at the coffee shop.」
(彼女は、私がコーヒーショップで会った女の子だよ)

・ 「Do you remember the guy who helped us with our luggage?」
(荷物を手伝ってくれたあの人、覚えてる?)

これらの例では、「who」を目的格で使っていますが、日常会話ではこれで十分自然です。
むしろ、こういった場面で「whom」を使うと不自然に聞こえる可能性があります。

「that」を使った例

・ 「She’s the artist that everyone’s talking about.」
(彼女は、みんなが話題にしているアーティストです)

・ 「The movie that we watched last night was really scary.」
(昨夜見た映画は本当に怖かったね)

・ 「She’s the teacher that everyone respects in our school.」
(彼女は、私たちの学校でみんなが尊敬している先生です)

・ 「The book that I ordered online finally arrived today.」
(オンラインで注文した本が、今日やっと届きました)

「that」は人にも物にも使えるので、「who」か「which」か迷ったときに便利です。
特に、話し言葉では「that」の使用が増えている傾向にあります。

関係代名詞を省略した例

・ 「The book I bought yesterday is really interesting.」
(昨日買った本は本当に面白いです)

・ 「The car (that) I bought last year is very fuel-efficient.」
(去年買った車は、とても燃費がいいです)

・ 「The song (that) we heard on the radio this morning was beautiful.」
(今朝ラジオで聴いた曲は、とてもきれいでした)

・ 「The person (whom) I admire most is my grandmother.」
(私が最も尊敬している人は、祖母です)

これらの例文では、括弧内の関係代名詞を省略しても意味は十分に通じます。
特に話し言葉では、この省略がよく行われます。

まとめ:関係代名詞マスターへの道

ここまで、関係代名詞の使い方について詳しく見てきました。
最後に、関係代名詞をマスターするためのポイントをまとめておきましょう。

・ 状況に応じた適切な関係代名詞の選択
・ フォーマルな場面では文法的な正確さを重視する
・ カジュアルな場面では自然な表現を心がける
・ 人と物の区別を意識する
人:「who」「whom」
物:「which」「that」
・ 前置詞との組み合わせに注意する
・ 前置詞の後には「whom」または「which」を使う
・ 制限的用法と非制限的用法の違いを理解する
制限的用法:主に「that」
非制限的用法:「which」「who」
・ 関係代名詞の省略ができる場合とできない場合を覚える
目的格は省略可能
主格は省略不可
・ 「whose」の使い方を身につける
人にも物にも使えるが、物の場合は「of which」も考慮する

これらのポイントを意識しながら、日々の英語学習や使用の中で関係代名詞を積極的に使っていくことで、自然と使いこなせるようになっていくでしょう。
英語の文法規則は時に複雑で、完璧に使いこなすのは native speaker でも難しいことがあります。
ですので、間違いを恐れずに積極的に使っていくことが大切です。

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