英語を聞き取ることは、英語学習において非常に重要なスキルです。 しかし、多くの人にとって英語を聞き取るのは難しいと感じるでしょう。 ネイティブスピーカーの話すスピードについていけなかったり、知らない単語が出てきたりと、聞き取りに悩む人は少なくありません。 でも、大丈夫です。 正しい方法で練習を積み重ねれば、必ず英語を聞き取れるようになります。 ここでは、英語を聞き取るコツをレベル別にご紹介します。
英語のリスニングが難しい理由
英語のリスニングが難しいと感じる理由は、いくつかあります。 まず、英語と日本語では音の特徴が大きく異なることが挙げられます。 英語は子音で単語が終わることが多く、また、単語と単語がつながって発音されることも特徴です。 一方、日本語は母音で終わる単語が多く、一つ一つの単語がはっきりと発音されます。 この音の違いに慣れていないと、英語の聞き取りは難しく感じるでしょう。
また、英語には、日本語にはない音があることも聞き取りを難しくしている理由の一つです。 例えば、”th”や”r”、”l”の発音は、日本語にはない音です。 これらの音の違いを認識し、正しく聞き取る練習が必要です。
さらに、英語のスピードが速いことも、リスニングを難しくしている要因です。 ネイティブスピーカーは、日常会話では1分間に150?180語程度の速さで話すと言われています。 これは、英語学習者にとってはかなりのスピードです。 スピードについていくためには、日頃からリスニング練習を積み重ねることが大切です。
初級者向け – 基礎から固めよう
ゆっくりとしたスピードの英語から始める
英語を聞き取るのが苦手な人は、まずゆっくりとしたスピードの英語から始めましょう。 英語学習用のポッドキャストやYouTube動画などで、ゆっくりと話される英語を聞くのがおすすめです。 ゆっくりとしたスピードなら、一つ一つの単語をしっかりと聞き取ることができるでしょう。 慣れてきたら、少しずつスピードを上げていきましょう。
シャドーイングで口と耳を鍛える
シャドーイングとは、英語を聞きながらそれを真似して話すトレーニング方法です。 英語を聞き取るだけでなく、口で言葉を再現することで、リスニング力と話す力の両方を同時に鍛えることができます。 初めは聞き取れない部分もあるかもしれませんが、何度も繰り返し練習することで上達していくでしょう。 ゆっくりしたスピードの英語から始めて、徐々にスピードを上げていくのがコツです。
英語の音の特徴を理解する
英語には、日本語にはない音があります。 例えば、”th”の音は日本語には存在しません。 また、英語は子音で単語が終わることが多いのも特徴です。 これらの英語特有の音の特徴を理解することで、リスニング力アップにつながります。 英語の発音規則を学ぶと良いでしょう。
聞き取りやすい教材を選ぶ
英語学習用の教材には、聞き取りやすい英語を使ったものが多数あります。 例えば、「English Central」や「Randall’s ESL Cyber Listening Lab」などのウェブサイトでは、レベル別に分かれた聞き取り練習用の教材を無料で提供しています。 また、「BBC Learning English」や「VOA Learning English」などの有名な英語学習サイトも、初級者向けの聞き取りやすい英語教材を豊富に揃えています。 自分のレベルに合った教材を選んで、毎日少しずつ練習を積み重ねることが上達への近道です。
単語力を高める
英語を聞き取るためには、単語力も重要です。 知っている単語が多ければ多いほど、聞き取りやすくなります。 初級者のうちは、よく使われる単語や表現を中心に学習しましょう。 例えば、「1000 Most Common Words in English」などのリストを活用して、基本的な単語を習得するのがおすすめです。 単語学習アプリや単語帳を使って、毎日コツコツと単語を覚えていきましょう。 単語力が高まれば、リスニング力も自然と向上していくはずです。
リスニングに集中する
英語を聞き取るためには、集中力も必要です。 リスニングの練習をするときは、静かな環境を選び、集中して英語に耳を傾けましょう。 英語学習用の音声を聞くときは、スクリプトを見ないようにするのがポイントです。 スクリプトを見ながら聞くのは、読解力の練習にはなりますが、リスニング力の向上にはつながりません。 音声だけに集中して、聞き取れた部分からその内容を推測する習慣をつけましょう。 集中力を高めることで、英語の音の特徴やイントネーションのパターンが徐々につかめるようになるでしょう。
発音記号を学ぶ
英語の発音記号を学ぶことは、リスニング力向上に大きく役立ちます。 発音記号を見れば、その単語がどのように発音されるのかが分かります。 単語の発音を正しく理解することで、聞き取りのポイントがつかめるようになるでしょう。 例えば、”cat”という単語の発音記号は「/kat/」です。 「/k/」は子音の「k」、「/a/」は母音の「あ」に近い音、「/t/」は子音の「t」という風に読み解くことができます。 英語の発音記号を学ぶには、発音記号表を参考にするのがおすすめです。 また、オンライン上には発音記号の学習サイトも数多くあるので、活用してみるのも良いでしょう。
リスニング教材を使い分ける
英語のリスニング教材には、様々な種類があります。 初級者のうちは、自分のレベルに合った教材を選ぶことが大切です。 聞き取りやすい教材から始めて、徐々にレベルを上げていくのがおすすめです。 例えば、「エルマーのぼうけん」や「オックスフォードリーディングツリー」などの多読用教材は、ゆっくりとしたスピードでナレーションが読み上げられるため、初級者に最適です。 また、NHKの語学番組「基礎英語」シリーズも、分かりやすい英語を使っているため、リスニング教材として人気です。 自分に合ったリスニング教材を見つけて、毎日少しずつ練習を重ねていきましょう。
中級者向け – 実践的なリスニング力を身につける
様々なジャンルの英語を聞く
ニュース、ドラマ、映画、ポッドキャストなど、様々なジャンルの英語を聞きましょう。 ジャンルが違えば、使われる単語や表現、話すスピードも異なります。 いろいろなジャンルの英語に触れることで、よりリアルな英語を聞き取る力が身につきます。 自分の好きなジャンルの英語から始めると、楽しく学習を続けられるでしょう。
推測する力を養う
英語を聞き取るときは、全ての単語を聞き取ろうとするのではなく、内容を推測する力を養うことが大切です。 知らない単語が出てきても、前後の文脈から意味を推測してみましょう。 英語は冠詞や前置詞をうまく使って話す言語です。 これらの小さな単語にも注目すると、内容を推測するヒントになります。 分からない部分があっても、大まかな内容がつかめれば十分です。
ディクテーションで正確に聞き取る
ディクテーションとは、英語を聞いてそれを書き取るトレーニング方法です。 一文ずつ、あるいはフレーズごとに区切って聞き、それを書き取っていきます。 聞き取れない部分は何度も聞き返しましょう。 自分の書いたものと、実際のスクリプトを見比べることで、自分の弱点を知ることができます。 弱点を意識して練習することで、正確に聞き取る力が身につきます。
ニュースや講演を聞く
ニュースや講演は、英語学習者にとって最適な教材です。 トピックが明確で、話し方も比較的ゆっくりとしているため、聞き取りやすいのが特徴です。 例えば、「BBC News」や「CNN 10」などのニュースサイトでは、様々なトピックの英語ニュースを聞くことができます。 また、「TED Talks」では、様々な分野の専門家による英語の講演を視聴できます。 興味のあるトピックのニュースや講演を選んで、積極的に聞く習慣をつけましょう。 内容を予測しながら聞くことで、リスニング力と同時に予測力も養われます。
英語の歌を活用する
英語の歌は、リスニング力アップに効果的です。 歌詞には日常会話でよく使われるフレーズが数多く含まれており、自然な英語表現を学ぶことができます。 また、リズムに乗って英語を聞くことで、英語特有の発音やイントネーションが自然と身につきます。 好きなアーティストの曲を選んで、歌詞を読みながら聞くのがおすすめです。 歌詞が聞き取れるようになったら、今度は歌詞を見ないで聞いてみましょう。 英語の歌を楽しみながら、リスニング力を高められるはずです。
オーディオブックを活用する
オーディオブックは、英語の本を音声で聞くことができる学習ツールです。 自分のレベルや興味に合った本を選んで、毎日少しずつ聞く習慣をつけましょう。 オーディオブックを聞くことで、生きた英語表現を学ぶことができます。 また、ストーリーを追いながら聞くことで、集中力も自然と高まります。 聞き取れない部分があっても、前後の文脈から推測することで、内容を理解する力が身につきます。 オーディオブックは、通勤時間や家事の合間など、ちょっとした空き時間を活用して学習できるのも魅力です。
字幕付きの動画を活用する
字幕付きの英語動画を見ることは、リスニング力アップに効果的です。 字幕を読みながら英語を聞くことで、聞き取れなかった部分の意味を確認することができます。 また、字幕と音声を同時に目と耳で追うことで、英語の音とスペルの関係性も自然と理解できるようになります。 YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスには、字幕付きの英語コンテンツが豊富にあるので、積極的に活用しましょう。 最初は字幕に頼りがちですが、徐々に字幕を見ずに内容を理解できるように練習していくことが大切です。
リスニング中は予測する
英語を聞き取るときは、次に何が言われるかを予測しながら聞くことが大切です。 話の流れを予測することで、聞き取りのポイントを絞ることができます。 例えば、”I went to the store to buy some …”という文を聞いたら、次に来る単語は「買い物をした品物」だと予測できます。 このように、文脈から次の言葉を予測する習慣をつけることで、リスニング力は大きく向上するでしょう。 また、予測した内容と実際に聞こえた内容を比べることで、自分の理解度も確認できます。 予測しながら聞くことを意識して、リスニング練習に取り組んでいきましょう。
上級者向け – ネイティブレベルを目指す
洋画や海外ドラマを字幕なしで見る
字幕に頼らずに、英語だけで内容を理解する練習をしましょう。 セリフが早口で聞き取るのが大変だと感じるかもしれません。 しかし、映像から状況を読み取ることで、言葉の意味を推測しながら内容を理解することができます。 英語字幕をつけて、分からないセリフを確認するのも効果的です。 何度も繰り返し見ることで、だんだんと聞き取れるようになるはずです。
ネイティブスピーカーと会話する
ネイティブスピーカーと直接会話することが、リスニング力アップに最も効果的です。 オンライン英会話を活用するのも良いでしょう。 日常会話から始めて、徐々に難しい話題にチャレンジしていきましょう。 分からないことがあれば、遠慮なく質問することが大切です。 ネイティブスピーカーとの会話は、リアルな英語を学ぶ絶好の機会となります。
英語の幅を広げる
ビジネス、科学、芸術など、自分の専門外の分野の英語に触れてみましょう。 自分の興味のある分野の英語を深く学ぶのも良いでしょう。 英語の幅を広げることで、様々な場面で英語を聞き取る応用力が身につきます。 分からない単語があっても、根気強く調べる姿勢を持つことが大切です。 知識が広がるほど、英語の理解度も深まっていくでしょう。
英語のポッドキャストを聞く
英語のポッドキャストは、ネイティブスピーカーの生の英語を聞くことができる最高の教材です。 ビジネス、科学、テクノロジー、エンターテインメントなど、様々なジャンルのポッドキャストが配信されています。 自分の興味のある分野のポッドキャストを選んで、毎日継続的に聞きましょう。 ネイティブスピーカーの自然な会話スピードに慣れることで、リスニング力が大幅に向上するはずです。 また、ポッドキャストには専門用語や俗語も多く含まれているため、様々な英語表現を学ぶことができます。
シャドーイングのレベルアップ
上級者になると、シャドーイングのレベルも上げていきましょう。 ネイティブスピーカーと同じスピードで英語を話すことを目標に、音声の細部までしっかりと聞き取れるようにトレーニングします。 聞き取れない部分は、何度も繰り返し練習しましょう。 また、イントネーションやアクセントも忠実に再現できるように心がけましょう。 高度なシャドーイングができるようになれば、ネイティブスピーカーと自然に会話できるようになるはずです。
英語の議論に参加する
英語の議論に参加することで、高度なリスニング力を養うことができます。 オンラインの討論会や、英語のディベートクラブなどに参加してみましょう。 様々な意見を持つ人々との議論を通じて、多様な英語表現に触れることができます。 また、議論の流れを理解し、適切なタイミングで自分の意見を述べる力も身につきます。 英語の議論に積極的に参加することで、ネイティブスピーカーレベルのリスニング力と同時に、クリティカルシンキング力も高められるでしょう。
英語の発音をマスターする
英語の発音をマスターすることは、ネイティブレベルのリスニング力を身につけるために欠かせません。 特に、英語特有の発音規則を理解することが大切です。 例えば、英語の子音には、有声音と無声音の違いがあります。 “s”と”z”、”p”と”b”などは、聞き分けが難しい子音ですが、発音の仕方をマスターすれば、聞き分けられるようになります。 また、英語の母音には、長母音と短母音の違いがあります。 “ship”と”sheep”、”full”と”fool”など、母音の長さが意味を分ける単語もあるので、しっかりと聞き分ける練習が必要です。 英語の発音規則を学ぶには、英語の発音指導に特化した教材を活用するのがおすすめです。 日頃から英語を口に出して発音する練習を心がけることで、リスニング力も自然と向上していくでしょう。
英語の語彙力を高める
ネイティブレベルの英語を聞き取るためには、語彙力も重要です。 知っている単語が多ければ多いほど、聞き取れる情報量が増えます。 上級者レベルの語彙力を身につけるには、日頃から英語に触れる機会を増やすことが大切です。 英語の新聞や雑誌を読んだり、英語の映画やドラマを見たりすることで、自然と語彙力は高まります。 また、英英辞典を活用して、単語の意味を英語で理解する習慣をつけるのもおすすめです。 英語の定義文を読むことで、単語の使い方や言葉のニュアンスが理解できるようになります。 ネイティブスピーカーが使う自然な英語表現を学ぶことで、リスニング力も大きく向上するはずです。
さいごに
英語のリスニング力を高めるには、自分のレベルに合った学習方法を選び、毎日コツコツと練習を積み重ねることが大切です。 初級者は、発音記号を学び、ゆっくりとしたスピードの英語から始めましょう。 中級者は、字幕付きの動画を活用し、予測しながら英語を聞く練習をしましょう。 上級者は、英語の発音をマスターし、語彙力を高めることで、ネイティブレベルのリスニング力を目指しましょう。 適切な方法で継続的に学習することで、必ず上達することができるはずです。